Page 2 - 【サンプル】JOT言語知識・読解
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一般社団法人グローバル共生社会推進機構(GISPA)
どっかい ないよう り か い たんぶん
【読解:内容理解短文】
問題7 次の(1)から(4)の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいもの
を、1・2・3・4から一つ選びなさい。
「文芸」とは言語によって表現される芸術のことであり、文字を伴わない文芸も
こうしょう
存在する。その代表的なものがアイヌ民族の口 承 文芸である。アイヌ民族は日本北
部の先住民族で、近年にいたるまで表記文字を持っていなかった。
こうしょう
アイヌの口 承 文芸には神々や英雄が活躍するものが多いが、そのストーリーには
アイヌ社会の仕組みや人と人のつながりの尊さ、自然の厳しさや共存するための知
恵、独特のアニミズム(注1)などが織り交ぜられている。文字を持たないアイヌ
民族はこのような物語を語ることによって、歴史や文化を後世に残していたのであ
る。
(注1)アニミズム:人間や動物、植物など、自然に存在するすべてのものには心が宿っているとする思想
こうしょう
アイヌ民族の口 承 文芸の特徴として合っているものはどれか。
1 自然や道徳について学ぶために、テキストの代わりに執筆された。
2 架空の物語の中に、生きるために必要な情報を含め、語り継いでいた。
3 近年になるまで、発話も表記も言語に依存せずに、知識を伝えていた。
4 神話的なストーリーが多く、信仰を世に広めるために語られてきた。